Les Frères Moutaux について

レ・フレール・ムトウ 武藤 康司 1969年 大阪生まれ
1989年 ゲベック入社
     パティシエの人見至容に師事
1998年 京都プリンスホテル入社
2000年 レ・フレール・ムトウ岩倉本店開店
2003年 レ・フレール・ムトウ油小路店開店
2008年 岩倉本店移転

主な受賞歴
全国洋菓子コンンテスト優秀賞
西日本洋菓子コンテスト会長賞・優秀賞
大阪府・兵庫県クリスマスケーキコンテスト優秀賞
兵庫県バレンタインコンテスト優秀賞他多数
ムトウのお菓子は、毎日食べてもらいたいとは思いません。ただ、ふと思い出したときに無性に食べたくなる。そんなお菓子をつくりたいのです。 interview #1 2013.8 みんなの頭の中にある、美味しいなと思うものをつくりたい。
レ・フレール・ムトウでは、
スタッフ全員でお菓子やパンをつくっています。
職人から、売り子の人まで、全ての意見を吸い上げ、
尊重し商品が生まれる。
つまり、ムトウの強みは「環境」だと言えます。

毎日、気がつけば新しい商品がどんどん生まれています。
アイテムを減らすことに、力を入れないといけないほどです。

僕は自分の舌を100%だと思わないようにしている。
最終的な判断は僕がするのだけど、
基準は「自分がこうだ」と思う方を一度疑ってみる。

なぜかというと、ケーキやお菓子、パンの味は時代性がある。
今の時代に合っている味、という判断は
自分一人ではできないように思います。
なので、スタッフみんなの判断が重要になってきます。

僕はスタッフから出てきた商品に、
自分が昔食べたことがある味に出会うと
怪しいなって思うようにしています。
その味は今の時代にマッチしているか?と。

例えば、カレーパン。
ムトウでは、カレーを1からつくっています。
マイルドな仕上がりにしていて、とても人気がある。

スタッフがこの新しいカレーパンを開発したのですが、
店頭には、すでにスパイシーなカレーパンが並んでいました。
初め、僕はスパイシーなカレーパンのままで
いいのでは?と思いました。
その頃、流通しているカレーパンは
スパイシーなものが多かったからです。
自分の思っているスパイシーさには、
なかなか出会わなかったですが。

だけど、スタッフのみんなはマイルドな方がいいと言った。
なぜかと聞くと、頭の中にあるカレーパンの味はこっちだ、
とみんなが言ったんです。

僕は、マイルドなカレーパンを選びました。
スタッフは、若い。
今の時代を生きています。
今、この瞬間に合っている判断だと思ったからです。

ムトウは、常にちょっとだけ先をいくのが大事だと思って、
商品をつくっています。
食べ物に対して、オピニオンリーダー的な存在は目指していません。
味の想像から、離れてはいけない。
多くの方のできるだけそばにいて、
頭の中にある美味しいなと思うものを
つくりたいと思っています。

味に対して、奇をてらったり、
インパクトを出していくのではなく、
食べ続けられていくものをつくり続けていきたいのです。